2011年7月9日土曜日

Mac App Store での Dashboard Widget 配信の可能性について

Mac OS X 10.4 Tiger から搭載された機能として Dashboard がある。Dashboard は HTML + CSS + JavaScript で作られた Widget という Web アプリケーションのようなものを動かす環境である。時計やカレンダー、辞書、計算機、スティッキーズメモなどの Widget が標準で用意されている。Widget のゲームなんかもサードパーティから公開されていたりする。

 Tiger の目玉機能のひとつとして発表当時からしばらくはそこそこの話題にはなったものの、今となっては影が薄くなった感は否めない。そこで今一度 Dashboard が注目を集めるにはどうすればよいか? と考えて思いついたのが Mac App Store での配信である。

 Mac App Store は iOS の App Store の Mac 版である。サードパーティ企業や一般の開発者によって登録されたアプリケーションが一堂に会しており、簡単にアプリケーションのダウンロード・インストールを行うことができる。
 App Store をユーザから見た場合、ひとつの場所で多くのアプリケーションから目的のものを探すことができ、有料アプリケーションの決済についても Apple ID をひとつ用意するだけですむメリットがある。
 ディヴェロッパから見た場合、Apple ブランドの店に商品を卸すことができ、自前で決済システムを用意することなく有料アプリケーションを販売することができるメリットがある(その代わり売り上げの 30 % は Apple の手数料となる)。

 現在、Mac App Store では Dashboard Widget の配信は行われていないが、それが可能になれば、再び Dashboard に注目が集まる日が来るかもしれない。通常の Mac 用アプリケーションで作るよりも Dashboard Widget の方が向いているようなジャンルも存在するし、Tiger 当時よりも Web アプリケーション分野も発達してきておりノウハウも貯まってきている。App Store で簡単に有料配信が可能になれば Dashboard Widget 開発に乗り出すディヴェロッパも増えてくるのではないだろうか。

 Dashboard Widget の配信に際して問題になるのは、そのアーキテクチャである。Dashboard Widget の実体は簡単に言えば HTML、CSS、JavaScript(+その他のリソース)をフォルダに纏めただけのものである。簡単に中身を覗くことができ、ロジックやリソースはコピィし放題となる。これでは有料配信には向かない(と考えるディヴェロッパもいるだろう)。

 ここで参考になるのが Apple のもうひとつの電子ストアの iBookstore である。iBookstore は iOS 機器から利用できる電子書籍ストアでり、EPUB を扱う。

 EPUB は電子書籍の形式のひとつでる。その実体は、書籍の内容となる HTML、CSS やその他画像等のリソースと、メタデータとなる XML を纏めて zip 圧縮したものであり、構造としては Dashboard Widget とよく似た部分がある。

 iBookstore で配信されている EPUB は DRM が掛かっており、その中身は暗号化されている。そのためダウンロードした EPUB ファイルを展開して単純に中身を覗こうとしても、それは不可能となっている。

 これと同じようなことを応用すれば、Mac App Store で Dashboard Widget の配信も可能になるのではないだろうか?

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